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業界分析レポート

Industry Analysis Report

エネルギー 大型二次電池 材料の将来展望 

2015 エネルギーデバイス編

大型二次電池市場 8兆5,269億円(6.2倍) 次世代環境自動車分野がけん引電力貯蔵システム向け二次電池 8,192億円(13.8倍) リチウムイオン電池を中心に伸長次世代環境自動車向け二次電池 6兆6,141億円(10.8倍) PHV、EV向けが大幅拡総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、次世代環境自動車分野、電力貯蔵分野、動力分野を対象とした大型二次電池搭載製品と大型二次電池市場、その構成部材について調査した。併せて家電分野の二次電池搭載製品や二次電池についての市場を整理した。その結果を「エネルギー 大型二次電池 材料の将来展望 2015 次世代環境自動車分野編」、「(同)動力 電力貯蔵 家電分野編」、「(同)エネルギーデバイス編」の3冊にまとめた。

2025年に向けて需要の増加が予想される大型二次電池であるが、特に、次世代環境自動車向けは、先進国を中心に自動車の燃費規制や排出ガス規制が強化される予定であり、大気汚染問題が深刻化している中国でも普及政策を打ち出していることからEV、PHV市場が拡大し、今後世界的に大幅な需要増加が予想される。また、「電力小売事業完全自由化」「電力会社送配電部門の法的分離」などの電力事業改革の進展、再生可能エネルギーの導入量増加に伴う系統安定化ニーズの高まりを背景に電力貯蔵システム向けの拡大が期待される。


◆調査結果の概要

1.大型二次電池の世界市場

2014年見込
2013年比
2025年予測
2013年比
市場規模
1兆6,774億円
122.2%
8兆5,269億円
6.2倍

2.大型リチウムイオン電池部材の世界市場

2014年見込
2013年比
2025年予測
2013年比
市場規模
1,762億円
158.5%
1兆7,818億円
16.0倍
2014年見込
2013年比
2025年予測
2013年比
住宅用蓄電
457億円
136.4%
3,441億円
10.3倍
電力貯蔵(需要家設置)
177億円
198.9%
1,148億円
12.9倍
大規模貯蔵(系統設置)
318億円
189.3%
3,603億円
21.4倍
合計
952億円
160.5%
8,192億円
13.8倍
2014年見込
2013年比
2025年予測
2013年比
市場規模
8,431億円
137.9%
6兆6,141億円
10.8倍

◆調査対象

世代環境自動車分野 アイドリングストップ自動車/マイクロハイブリッド自動車(ISSV/マイクロHV)、 ハイブリッド自動車(HV)、HVトラック?バス、 プラグインハイブリッド自動車(PHV)、 電気自動車(EV)、 EVトラック バス、 燃料電池自動車(FCV)、 マイクロ電気自動車(マイクロEV)
動力 電力貯蔵 家電分野 電力貯蔵分野 中?大容量UPS、無線基地局(携帯電話)、住宅用蓄電システム、電力貯蔵システム(需要家設置)、電力貯蔵システム(系統設置)、太陽光発電システム、風力発電システム
動力分野 フォークリフト、建設機械(ショベル)、鉄道車両 LRV、電動式自動二輪車
家電分野 フィーチャーフォン スマートフォン、ノートPC タブレット端末
蓄電デバイス(構成部材) リチウムイオン電池(正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータ、正極集電体、負極集電体)、ニッケル水素電池(正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータ)、電気二重層キャパシタ(電極材、電解液)、リチウムイオンキャパシタ、鉛電池、NAS電池、レドックスフロー電池、NaNiCl2電池、次世代電池

次世代環境自動車分野、電力貯蔵分野、動力分野の製品に搭載される大型二次電池の市場は、今後各分野で大幅な伸びが予想される。2013年時点では鉛電池やリチウムイオン電池の市場が大きい。2025年には次世代環境自動車分野や電力貯蔵分野で採用されるリチウムイオン電池が大幅に伸びるとみられる。次世代環境自動車分野向けは、2013年時点では市場の45%を占めるが、2025年には2013年比10倍以上の伸びが予想され78%を占めるとみられる。

正極活物質が全体の36%を占めている(2014年見込)。需要増加が期待される次世代環境自動車向けでは、三元系(コバルト、マンガン、ニッケル)と、マンガン酸リチウムにその他材料を混合するタイプが中心になるとみられる。他の部材では、負極活物質やセパレータの市場が大きい。部材市場についても、次世代環境自動車に搭載されるリチウムイオン電池向けがけん引し、2025年には2013年比10倍以上の市場が期待される。部材別シェアには今後も大きな変化がみられず、各部材で低コスト化が進むと予想される。


◆注目市場

1.電力貯蔵システム向け二次電池

1-1.住宅用蓄電

住宅用蓄電システムは、非常用電源用途、ピークシフト用途(系統電力 太陽光発電電力)での導入が中心である。非常用電源用途では、鉛電池が米国の一部の州やアジアなどを中心に多く採用されている。今後はリチウムイオン電池の採用が増えるとみられ、鉛電池の需要は縮小すると予想される。ピークシフト用途及び独立電源用途では、リチウムイオン電池が多く採用されている。系統電力や太陽光発電電力のピークシフト用途の需要増加に伴い、今後の伸びが期待される。2020年以降は電池パックの価格低下、またHEMSやスマートメーターの普及、家庭向け電気料金型DR(デマンド?レスポンス)の導入拡大も追い風になるとみられる。


1-2.電力貯蔵(需要家設置)

商業施設?産業施設 公共施設などに併設される定置型電力貯蔵システム向けを対象とする。現時点では、グリーンニューディール基金を背景に導入が進んだ日本の公共施設での非常用電源用途、ドイツでのピークシフト/ピークカット用途が中心である。鉛電池とリチウムイオン電池が多く採用されているが、日本ではリチウムイオン電池が主流である。今後はピークシフト/ピークカット用途でリチウムイオン電池電力貯蔵システムの導入が進むと予想される。特に、米国では補助金制度や可変ピーク帯 リアルタイム料金制度、EMS(エネルギーマネジメントサービス)ベンチャーなどの参入により、2016年以降に大幅な需要増加が期待される。日本でも、電力事業改革の進展や、可変ピーク帯 リアルタイム料金制度の導入拡大が進む2020年以降、大幅な市場拡大が予想される。なお、アンシラリーサービスやネガワット取引、メガワット級の大規模需要家のピークシフト/ピークカット用途については、大型化に適したNAS電池やNaNiCl2電池が採用されるとみられる。


1-3.大規模貯蔵(系統設置)

電力貯蔵システム(系統設置)向け、太陽光発電システム向け、風力発電システム向けを対象とする。再生可能エネルギーの系統接続増加に伴う系統安定化のために、大型の電力貯蔵システムの導入が進められている。電力貯蔵システム(系統設置)向けでは、開発が先行している鉛電池、NAS電池の導入実績が多いが、近年は高出力 短時間放電であればリチウムイオン電池、長時間放電が必要であればレドックスフロー電池が採用されるケースが増加している。太陽光発電システムでは、出力される電力を安定させ、系統設備への影響を軽減させる出力安定化用途(出力平滑化、余剰電力対策、タイムシフト、計画的運転)で採用されている。短時間の 出力平滑化用途では、入出力特性に優れるリチウムイオン電池の採用が多く、将来的にはニッケル水素電池の採用も予想される。一方、比較的長時間の出力平滑化が求められる場合、鉛電池、NaNiCl2電池が採用されやすい。長時間の放電が求められる余剰電力対策、タイムシフト、太陽光発電システムの計画的運転用途には鉛電池、NAS電池、レドックスフロー電池、NaNiCl2電池が選定されやすい。風力発電システムでは、 出力安定化用途(出力平滑化、下げ代不足対策、タイムシフト)、ブレードの向きを調整するピッチ制御システムの非常電源用途で採用されている。 出力平滑化用途では、導入実績が豊富で信頼性が高い鉛電池、入出力特性に優れたリチウムイオン電池、ニッケル水素電池が採用される傾向にある。長時間の出力平滑化が求められる場合、NaNiCl2電池の採用も想定される。電力の需要と供給のバランスを調整する下げ代不足対策、風力発電システムの計画的運転用途では大容量が必要であるため、鉛電池、NAS電池、レドックスフロー電池、NaNiCl2電池が採用されやすい。また、ピッチ制御システムの非常用電源用途では、鉛電池が主流であるが、メンテナンス性が重視されるシステムを中心に電気二重層キャパシタの採用が増えている。


2.次世代環境自動車向け二次電池

2013年時点では、大容量のリチウムイオン電池を搭載するEV向けの比率が高い。2025年には、市場拡大が予想されるPHV向けも大幅に伸び、EVとPHV向けのリチウムイオン電池が市場をけん引するとみられる。また、鉛電池は、アイドリングストップ自動車/マイクロHV向けが中心である。エリア別では、アメリカ、日本、欧州が需要の中心である。アメリカはEV向けのリチウムイオン電池の市場が大きい。また、日本ではHV向けのニッケル水素電池が中心である。欧州はアイドリングストップ自動車/マイクロHV向けの鉛電池の市場も大きい。 今後は中国において次世代環境自動車の生産が拡大するとみられ、日本を抜いて欧州、アメリカに次ぐ規模へ拡大すると予想される。

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。